ノンフリート等級は、自動車保険の保険料を大きく左右するもっとも重要な仕組みです。契約者一人ひとりの事故歴に応じて1〜20等級のランクが割り当てられ、等級が上がるほど割引率が高くなり、事故を起こすと等級が下がって保険料が上がります。仕組みを理解しておけば、更新時に「なぜ保険料が変わったのか」がはっきりわかり、事故時に保険を使うべきかどうかも冷静に判断できます。
この記事では、ノンフリート等級の基本、事故時のダウンの仕組み、事故有係数、そして他社へ乗り換えても等級を引き継げる理由まで、初めての方にもわかるように整理します。
この記事の内容
ノンフリート等級とは何か
「ノンフリート」とは、契約する自動車が9台以下の個人契約を指します(10台以上は「フリート契約」で別の仕組みです)。多くの家庭はノンフリートに該当します。新規で自動車保険に加入すると、通常は6等級(6S)からスタートし、1年間無事故で更新するごとに1等級ずつ上がっていきます。
等級は最大で20等級まであり、下は1等級までです。1年間事故がなければ翌年に等級が1つ上がり、割引率が段階的に大きくなる仕組みです。20等級まで到達すれば、保険会社によって差はあるものの、おおむね60%前後の割引が適用されます。
割引率・割増率のイメージ
等級ごとの割引・割増率は保険会社によって細部が異なりますが、代表的な水準は次の表のとおりです。同じ等級でも「無事故」と「事故有」で割引率が変わる点に注意してください。
| 等級 | 無事故係数の割引・割増 | 状態のイメージ |
|---|---|---|
| 1等級 | 約64%割増 | 事故が続いた状態 |
| 6等級(新規) | 約19%割引 | 初めて加入 |
| 10等級 | 約45%割引 | 数年間無事故 |
| 15等級 | 約51%割引 | 長く無事故 |
| 20等級 | 約63%割引 | 最高ランク |
事故を起こすと等級はどう下がるか
事故で保険を使うと、翌年の等級が下がります。下がり幅は事故の種類によって決まっています。
3等級ダウン事故
もっとも一般的なのが3等級ダウン事故です。対人・対物賠償や車両保険を使う多くの事故が該当します。10等級で事故を使えば翌年は7等級になります。
1等級ダウン事故
車両保険で、火災・盗難・飛び石によるガラス破損・落書き・台風などの偶然の事故に限っては1等級ダウンで済みます。
ノーカウント事故
人身傷害保険や弁護士費用特約のみを使った場合など、等級に影響しないノーカウント事故もあります。この場合は翌年も通常どおり1等級上がります。
「事故有係数適用期間」に注意
2013年以降、同じ等級でも「無事故」と「事故有」で割引率が分かれるようになりました。事故で保険を使うと、下がった等級に加えて事故有係数適用期間が設定されます。3等級ダウン事故なら3年、1等級ダウン事故なら1年間、割引率の低い「事故有」の係数が適用されます。
この期間中は、同じ12等級でも無事故の人より割引率が10ポイント以上低くなることがあります。つまり、事故で保険を使うと「等級ダウン」と「事故有係数」のダブルで保険料が上がるわけです。少額の修理なら、保険を使わず自費で直したほうがトータルで安くなるケースもあるため、修理費と数年分の保険料アップを比べて判断しましょう。
- 修理費が高額(数十万円以上)
- 相手方への賠償が発生している
- すでに20等級で、翌年の上げ幅の恩恵が小さい
- 修理費が数万円程度の軽微な損害
- 等級が高く、事故有係数の影響が大きい
- 翌年以降も継続して保険料を抑えたい
他社に乗り換えても等級は引き継げる
「保険会社を変えると等級がリセットされる」と誤解している人がいますが、これは間違いです。ノンフリート等級は業界共通の仕組みで、他社へ乗り換えても現在の等級はそのまま引き継がれます。むしろ、より保険料の安い会社へ乗り換えても不利にならないため、更新時の見直しは積極的に行う価値があります。
また、廃車や海外転勤などで一時的に車を手放す場合も、中断証明書を取得しておけば最長10年間、等級を保存できます。詳しい手続きは等級の引き継ぎと中断証明書の記事で解説しています。
新規加入は必ず6等級からですか?
1年間に2回事故を起こすとどうなりますか?
等級が上がるのはいつのタイミングですか?
1等級まで下がるとどうなりますか?
まとめ
ノンフリート等級は、無事故を続けるほど保険料が安くなり、事故で保険を使うと等級ダウンと事故有係数のダブルで負担が増える仕組みです。少額の修理では保険を使うべきか慎重に判断し、更新時は等級を引き継ぎながらダイレクト型と代理店型の比較も参考に、より条件の良い保険へ見直しましょう。まずは自賠責と任意保険の違いを押さえ、保険カテゴリーの他の記事もあわせて確認してみてください。