新NISAで積み立てる投資信託を選ぶとき、初心者が最後に迷うのが「オルカン(全世界株式)vs S&P500、どっちを選ぶべきか」という問題です。どちらもeMAXIS Slimシリーズの超低コストインデックスファンドとして絶大な人気を誇り、新NISAのつみたて投資枠の王道です。この記事では、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の違いを、リターン・リスク・信託報酬の観点から徹底比較し、選び方の基準を示します。

結論を先に言えば、「世界全体に広く分散したいならオルカン、米国の成長力に賭けたいならS&P500」です。ただし両者は中身が大きく重なっており、極端な差はありません。詳しく見ていきましょう。

この記事の内容

そもそも2つは何が違うのか

オルカン(オール・カントリー)は、日本を含む先進国・新興国の約50か国、3,000銘柄近くに分散投資するファンドです。MSCI ACWIという指数に連動します。一方S&P500は、米国を代表する大型株500社に集中投資するファンドです。

比較項目 オルカン(全世界株式) S&P500(米国株式)
連動指数 MSCI ACWI S&P500
投資対象 全世界 約50か国・約3,000銘柄 米国大型株 500銘柄
米国比率 約6割 100%
信託報酬(税込・年率) 約0.0575%程度 約0.0814%程度
分散度 非常に高い 米国に集中
特徴 1本で世界に分散 米国の成長を丸ごと

興味深いのは、オルカンの中身も約6割が米国株だという点です。つまりオルカンを買っている人も、実質的にはかなりの割合で米国に投資していることになります。この重複が「どちらでも大差ない」と言われる理由です。

リターンの比較:過去は米国が優勢

過去10年程度を振り返ると、GAFAMなど米国ハイテク株の急成長を背景に、S&P500がオルカンをリターンで上回ってきました。米国集中のS&P500の方が、良いときの伸びは大きくなります。

ただし、これはあくまで過去の結果です。米国一強がこの先も続く保証はなく、かつては日本や新興国が世界をリードした時代もありました。将来のどの国が伸びるか分からないからこそ、全世界に分散するオルカンには「賭けを外さない」安心感があります。過去のリターンで将来を判断しすぎない姿勢が大切です。インデックス投資の基本もあわせて押さえておきましょう。

リスクの比較:分散のオルカン、集中のS&P500

S&P500は米国100%のため、米国経済や為替(円ドル)の影響をダイレクトに受けます。為替リスクという点では、実はオルカンも6割が米国なので大きくは変わりませんが、S&P500の方が値動きはやや荒くなる傾向があります。

オルカンは新興国も含めて幅広く分散するため、特定の国が不調でも他国がカバーしやすく、値動きがマイルドになりやすいのが特徴です。リスクを抑えたい人、1本で完結させたい人にはオルカンが向きます。

信託報酬(コスト)の比較

長期投資ではコストがリターンを確実に削ります。信託報酬はオルカンが年0.05775%程度、S&P500が年0.0814%程度と、わずかにオルカンが安い水準です(いずれもeMAXIS Slim、2026年時点の目安。改定される場合があります)。ただし差はごくわずかで、100万円あたり年数百円レベル。実質的な差は小さいといえます。信託報酬の重要性は信託報酬とはで詳しく解説しています。

オルカンを選ぶべき人
  • 1本で世界中に分散したい
  • どの国が伸びるか読めないので広く賭けたい
  • 値動きをできるだけマイルドにしたい
  • 投資はほったらかしにしたい初心者
S&P500を選ぶべき人
  • 米国経済の成長力を信じている
  • 多少のリスクを取ってリターンを狙いたい
  • 過去の高いパフォーマンスを重視する
  • シンプルに米国だけに投資したい
迷ったらどうする? どちらか1本に絞れないなら、両方を半分ずつ買う人も多くいます。ただし中身が重複するため、あまり神経質にならず「どちらか1本」でも十分に合理的です。大切なのは商品選びより、長く積み立て続けることです。

どちらを選んでも守るべき基本

オルカンでもS&P500でも、共通して大切なのはドルコスト平均法で淡々と積み立て、下落しても売らずに続けることです。新NISAのつみたて投資枠を使えば運用益は非課税なので、コツコツ長期で複利を効かせましょう。制度全体は新NISA完全ガイドで確認できます。

オルカンとS&P500、初心者はどっちがおすすめ?
迷ったら全世界に分散するオルカンが無難です。1本で世界中に投資でき、特定の国に賭けずに済むため、投資判断に自信がない初心者でも安心して長期保有しやすいのが理由です。
両方買うのは意味がありますか?
意味はありますが、オルカンの約6割は米国株なので中身が重複します。両方買うと米国比率がさらに高まる点を理解したうえで、資産全体の米国比率を意識して配分を決めましょう。
途中でオルカンからS&P500に乗り換えるべき?
頻繁な乗り換えはおすすめしません。長期投資では商品を変え続けるより、1本を淡々と積み立てる方が結果につながりやすいです。方針を決めたら腰を据えて続けることが大切です。
この2本以外に選択肢はありますか?
先進国株式や全米株式(VTI連動)なども人気です。ただし初心者はまずオルカンかS&P500から始めれば十分で、慣れてから他の選択肢を検討するのが現実的です。

まとめ

オルカン vs S&P500は、全世界分散か米国集中かという方針の違いです。過去のリターンはS&P500が優勢でしたが、将来は誰にも分かりません。分散と安心を取るならオルカン、成長力に賭けるならS&P500。どちらも超低コストの優良ファンドなので、自分の考えに合う方を選び、新NISAで長期・積立を続けることが何より重要です。ほかの投資テーマは投資カテゴリーもご覧ください。

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個人向け金融、クレジットカード、銀行商品を専門とする編集チーム。

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