リバランスとは、相場の変動によって崩れてしまった資産配分を、当初決めた割合に戻す作業のことです。たとえば「株式60%・債券40%」で始めた人も、株式が値上がりすれば知らないうちに「株式75%・債券25%」になり、当初より大きなリスクを抱えた状態になります。この記事では、リバランスがなぜ必要なのか、具体的な2つの方法、実施の頻度、そして新NISA口座での実践的な進め方まで、初心者にも分かるように解説します。
アセットアロケーションを決めただけで満足してしまう人は多いのですが、リバランスをセットで行って初めて、その配分は意味を持ちます。
この記事の内容
なぜリバランスが必要なのか
リバランスには大きく2つの効果があります。1つ目はリスクの管理です。値上がりした資産の比率が高まると、次の下落局面での損失も大きくなります。元の配分に戻すことで、取りすぎたリスクを適正水準に引き下げられます。
2つ目は「高く売って安く買う」を機械的に実行できることです。値上がりした資産を一部売り、値下がりした資産を買い増すのがリバランスの基本動作です。感情では逆のことをしてしまいがちですが、ルールに沿って淡々と行うことで、規律ある投資が続けられます。資産配分そのものの決め方はアセットアロケーション入門を先に確認してください。
| 時点 | 株式 | 債券 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 当初 | 60% | 40% | 目標どおり |
| 1年後(株高) | 72% | 28% | リスク過大 |
| リバランス後 | 60% | 40% | 目標に復帰 |
リバランスの2つの方法
1. 売却して買い替える方法
比率が増えた資産を売り、減った資産を買い増して配分を戻す方法です。確実に目標配分へ戻せますが、課税口座では売却益に約20%の税金がかかる点に注意が必要です。新NISAの非課税口座内であれば売却益に課税されないため、この方法を使いやすくなります。
2. 新規資金で買い足す方法(ノーセル・リバランス)
売却はせず、毎月の積立や追加投資の資金を、比率が減った資産に多めに振り向けて配分を戻す方法です。売却しないため税金や売買コストがかからず、資産が増加中の現役世代に向いています。
- すでに大きな資産があり、追加入金だけでは調整しきれない人
- 非課税のNISA口座内で完結できる人
- 短期間で確実に目標配分へ戻したい人
- 毎月コツコツ積み立てている資産形成期の人
- 課税口座での売却益への課税を避けたい人
- 売買の手間をできるだけ減らしたい人
実施する頻度とタイミング
リバランスは頻繁に行えばよいものではありません。売買のたびにコストや税金がかかり、かえって効率が落ちることもあります。一般的には次の2つの基準がよく使われます。
- 時間基準:年1回など、あらかじめ決めた時期に定期的に実施する。誕生月や年末など忘れにくいタイミングがおすすめです。
- 乖離基準:目標配分から5%以上ずれたら実施する。相場が大きく動いたときだけ対応する方法です。
新NISAでのリバランス実践
新NISAには年間投資枠の上限(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)があり、売却した分の非課税枠は翌年に復活します。そのため、非課税枠内でのリバランスは売却益が非課税になるメリットが大きい一方、その年のうちにすぐ買い直せる枠が残っているかを確認する必要があります。積立設定を見直して買付比率を変えるノーセル型なら、枠を消費しすぎずに調整できます。制度の枠組みは新NISA完全ガイドで確認しておきましょう。
自分で売買するのが面倒なら、自動でリバランスまで行ってくれるロボアドバイザーや、1本で複数資産に分散するバランス型ファンドを使う手もあります。手間をかけたくない人にとっては有力な選択肢です。積立を止めずに続ける姿勢はドルコスト平均法とも共通する、長期投資の基本姿勢です。
リバランスはやらないとどうなりますか?
課税口座でリバランスすると税金はどうなりますか?
年に何回リバランスすべきですか?
1本のバランス型ファンドでもリバランスは必要ですか?
まとめ
リバランスは、崩れた資産配分を元に戻し、取りすぎたリスクを適正化するための欠かせない作業です。売却して戻す方法と、新規資金で買い足すノーセル型があり、資産形成期には後者が使いやすいでしょう。頻度は年1回、あるいは5%以上の乖離時が目安です。新NISAの非課税メリットも活かしながら、決めた配分を淡々と維持することが、長期の資産運用を安定させる鍵になります。