子どもの教育資金をどう準備するか——かつては学資保険が定番でしたが、2024年に始まった新NISA(つみたて投資枠)の登場で、選択肢は大きく広がりました。学資保険は返戻率が確定した「保険」、つみたてNISAは値動きのある「投資」で、性格がまったく異なります。この記事では、両者を返戻率・運用リターン・リスク・保障の観点から比較し、教育資金の準備法として自分に合う方法を選ぶ手助けをします。
大学卒業までにかかる教育費は、進路によって数百万円〜1千万円超に達します。18年前後の長い準備期間があるからこそ、堅実に貯めるか、増やすことを狙うかの設計が大切になります。
この記事の内容
学資保険とは:確実性と保障が強み
学資保険は、毎月決まった保険料を払い込み、契約時に定めた時期(大学入学時など)に「祝金・満期保険金」を受け取る貯蓄型の保険です。最大の特徴は、契約者(親)が死亡・高度障害になると以後の保険料が免除され、それでも満期金は満額受け取れる「払込免除」の保障がある点です。返戻率は商品にもよりますが、近年は概ね100〜105%程度で、大きく増えはしないものの元本割れリスクを抑えて確実に貯められます。
つみたてNISAとは:増やす力とインフレ耐性
つみたてNISA(新NISAのつみたて投資枠)は、金融庁が定めた低コストの投資信託を、運用益非課税で積み立てる制度です。世界株や米国株のインデックスファンドに18年間積み立てれば、過去の平均的なリターン(年3〜5%程度)を前提にすると、学資保険より大きく増える可能性があります。半面、相場次第では必要な時期に元本割れしているリスクもあります。制度の全体像は新NISAの完全ガイドで確認できます。
学資保険とつみたてNISAの比較
| 項目 | 学資保険 | つみたてNISA |
|---|---|---|
| リターン | 確定(返戻率100〜105%程度) | 変動(期待年3〜5%程度) |
| 元本割れ | 原則なし(満期まで継続時) | あり(相場次第) |
| 親の死亡保障 | あり(払込免除) | なし |
| 途中の流動性 | 低い(解約で元本割れも) | 高い(いつでも売却可) |
| 税制 | 生命保険料控除の対象 | 運用益が非課税 |
| インフレ耐性 | 弱い(額面固定) | 強い(資産で保有) |
どちらが向いている?
- 元本割れは絶対に避けたい
- 親に万一のときの保障もまとめたい
- 自分で運用を管理する自信がない・手間を避けたい
- 18年など長い準備期間を確保できる
- 多少の値動きを受け入れて増やしたい
- 途中で使う可能性があり流動性を重視する
「両取り」という現実的な選択
実際には、どちらか一方に絞る必要はありません。確実に用意したい金額(最低限の入学金など)は学資保険で固め、上乗せ分や余裕資金はつみたてNISAで増やす——という併用が、多くの家庭にとって現実的です。親の死亡保障が別途十分にあるなら、学資保険の保障機能は重複するため、その分をNISAに回す判断もあり得ます。保障の過不足は収入保障保険の仕組みとメリットや定期保険と終身保険の違いと選び方とあわせて考えると整理できます。
始める前に確認したいこと
準備を始める前に、児童手当や自治体の支援も踏まえて必要額を見積もりましょう。つみたてNISAを選ぶなら、全世界株か米国株かといった投資先の考え方(オルカンとS&P500の比較)や、NISAとiDeCoの使い分け(NISAとiDeCoの優先順位)も参考になります。教育資金は「必ず使う時期が決まっている」お金なので、老後資金より安全側に寄せる設計が基本です。
学資保険とつみたてNISAはどちらが得ですか?
つみたてNISAで教育資金は危険ではないですか?
学資保険の返戻率はどのくらいですか?
両方使うのはありですか?
まとめ
教育資金の準備は、確実性と保障の学資保険、増やす力のつみたてNISAという性格の違いを理解して選ぶことが第一歩です。リスク許容度と準備期間に応じて、どちらか、あるいは両方を組み合わせましょう。保険料控除は生命保険料控除の仕組みと控除上限を、保険全般は保険カテゴリもあわせてご覧ください。